Home > 新春若手NPO対談 第2部(2−2)

新春若手NPO対談 第2部(2−2)

  • Posted by: admin
  • 2013年2月 7日 12:36
新春若手NPO対談 第2部(2−2)  
日時:2013年1月8日  場所:じゅうろくプラザ
DSC_0472_2.jpgのサムネール画像

 新春の1月8日、岐阜県の若手NPOの 座談会を行いました。政権が交代し、先行きも不透明な、あまりにも混迷度が高い時代の中で、「これからの岐阜県はどうなってしまうんだろうか」とか、「そもそも、いまの世の中の何が問題で、それを我々は一体どうしたらよいのだろうか」ということを、地域で活動を展開するみなさんにお話を伺いました。

新春NPO対談 参加者(敬称略・参加決定順)
駒宮博男(NPO法人 ぎふNPOセンター) http://gifu-npocenter.org/
蒲勇介(NPO法人 ORGAN)  http://www.organ.jp/
神田浩史・榎本淳(NPO法人 泉京・垂井) http://sento-tarui-blog.cocolog-nifty.com/
平野彰秀(NPO法人 地域再生機構) http://chiikisaisei.org/
秋元祥治(NPO法人 G-net) http://www.gifist.net/


<平野>
 いま、地域再生機構というNPOの副理事長をやっています。元々岐阜市出身で東京に14年いて、32の時に東京から岐阜に戻ってきました。秋元君とは11年前にG-netの立ち上げを一緒にさせて頂いて、蒲くんとは、そのG-net を通じて一緒に活動をしていて、いまも色々と一緒にやっている仲です。そのあと駒宮さんと出会って、岐阜に戻ってきたということもあるので、この3人から色々な影響を受けながら活動してきました。

  いま私がやっているのは、郡上市白鳥町の石徹白(いとしろ)という、人口250 人の小さな集落・・かつては1200人の集落ですが、その集落の人口がどんどん減っていくのをどうにかしていこうかというのを、地域と一緒にやっていま す。それから、地域再生機構の仕事で小水力発電や木質バイオマスの導入を通じて地域の自治を取り戻していこうという、ふたつの活動をしています。

 選挙の話とか、脱成長の話とか、大きな話があったのですが、当然、こういった活動をしていると、自分がやっている活動というのは、「持続可能な地域をつくってくためにはどうしたらいいのか」とか、「自分たちでモノゴトを解決していけ るような自治の力をもった地域をどうつくっていけるか」ということで、石徹白という地域だったら、そういうモデル的なことを出来るんじゃないかと思って やっているわけですが、やっているなかで、「これが果たしてどこにつながるのだろうか」ということを、疑問に思うことも時々出てきます。

 この前の衆院選もそうですが、全国各地に同じような認識を持っている人はとても 多くて、「地域地域で小さなカタチで課題解決をしていこう」と取り組んでいる人たちや、「原発依存でなく、自然エネルギーに転換していく」だとか、「農林 水産業・一次産業を大切にしていこう」だとか、「人と人とのつながりを大切にしていこう」ということだとか、そういう活動を大切にしている人はとてもたく さんいらっしゃって、そういう小さな一つ一つの活動が次の新しい国をつくっていくのではないかという希望をもちつつも、今までの成長重視型の社会は大きな 壁として立ちはだかっていて、これをやったから、それにつながるのかということは思うわけですね。

 震災後、東北でのさまざまな活動を見ていると、社会的な活動をしてきた人たち、あるいはビジネスの世界にいた人たちが、これまで培ってきた力を、東北の復興や、新しい社会づくりにとりくんでいます。日本全体としては、あれだけ大きな危機があっても変わらないのかもしれないのですが、この10年間社会的な動きをしてきた人たちが東北に入って動くことで、もしかしたら、そうしたところから日本が変わっていくかも知れないなという希望をみてとることができるなと思っています。私も仙台や岩手のNPOにお邪魔しましたが、そこではなにか、明らかに「新しい社会の萌芽」というか、そういったものを感じ取ることが出来るような気がしています。

DSC_0456.jpg

 この岐阜においては、やはり今の社会というものがとても現実としてあるわけで、 ぼくらが目指している社会みたいなものが、とても夢物語的なカタチかもしれないんですけれども、その現実と理想で、理想にばかりおぼれていても仕方がない わけでして、いきなりいまの社会がゼロになって理想の社会がはじまることはないわけですので、そうした意味では、自分たちがやっているような小さな活動だ けれども、社会の課題を解決していこうという動きというのがもっともっと増えていかなければいけないと思いますし、我々は力をつけていかなければいけない と思っています。そういった震災の危機的なことがあったときに我々が動けるのかということもありますし、そうした危機的なことが起こらなくても、世の中 が、この10年でも大きく変わって来てるとも思いますので、来るべき時にむけて、もう少し、本当に社会を変えていけるような力となるようにやっていかな きゃいけないんじゃないかなと思いながら、日々とても小さなコトをやっています。

<駒宮>
  内山節さんなんかがよく言っているのですが、日本のコミュニティが、欧米のコミュニティと根本的に違うのは、コミュニティの構成要素に、人だけじゃなく て、地域の自然もあるし、祖霊もあるし、八百万の神様もある。神様が頂点にいるんじゃなくて、神様も時々悪いことをする。神様だろうが祖霊だろうが、自然 だろうが、全部並列で、きわめて民主的な状態で、それがワンセットでコミュニティであるという考え方を日本人はずーっとしてきたみたいなんですが、そうい う考え方というのは、冒頭に神田さんが言っていた考え方のなかでは絶滅危惧種で、地域に行っても70代くらいの人はよく分かっていないんだよね。80くら いまで遡らないと、そういう感覚が残っている人は少ない。そういう時代に戻れるわけでないとは思っているんですが、いいものであれば、古いものは残してい かなきゃいけないんじゃないかなと思うわけですよ。もうひとつは、平野君とか蒲君のように、非常に狭いところで何かをやって、それが一点突破でガラリと変 わることは大いにある。

そういう中で、もうすぐ県知事選挙があるわけですが、この混迷の時代の中で、県の役割もまた問われているところだと思いますが、県はこういう時代にあって、何をすべきだと思いますか?また、みなさんの活動に対して、県はどうあってほしいでしょうか?

<平野>
  公益的なインフラを司るのは当然大事な仕事としてあると思います。県という組織は、中途半端と言えば、中途半端な組織なんですけれども、一方で「清流のく にづくり」ということで、国体をやったり、そこからはじまるいろんな取り組みをされている。市町村より抽象的と言えば抽象的、ふわふわしていると言えば、 ふわふわしている。だけど、ちょっと目先の変わったことが出来る組織であるべきなのかなという感じはしています。

 県が何でもかんでもやると言うカタチは違うと思うんですけれども、地域地域の活 動というところに、少し目先の違う視点というところを出していける県政であることが望ましいのかなと思います。例えば「新しい公共」ということであった り、エネルギーの取り組みであったり、現場の市町村でなかなかできないことを打ち出せる立場だし、実際、政策としてそれをやっているような気がしますが、 いかにそれをもう少し、職員の方も理解した上で、現実感をもってやっているかということも大事だと思います。

<駒宮>
 私なんか逆に論理的に考えると、もっとコミュニティの力をつけて、市町村から県に、「こういうことをやってください」という風に言えるようにならないと、なんともならないなと思っています。

<平野>
 そういう意味では、For-Goverment-Organizationになってはいけなくて、僕らの方から政策提言をするなり、いっしょにやるなりということは、やっていくべきであると思います。仕事をもらうと、目先の仕事をやるということになりがちなので、それにとらわれすぎるとそれをこなしていくだけになってしまいがちなので。

<蒲>
 国政のときも、フローレンスっていうNPOの駒崎さんが、「僕たちがやるべきことをやって、国に政策をパクらせる」ってことをどこかの記事に書いていましたけれども、パクらせるだけじゃなくて、提案していくプロセスが、イレギュラーにしか存在していない社会がNPOとしての弱いところだと思います。

<駒宮>
  もうひとつは、私が思うには、国に、機能がなくなってきているのではないかと思えてならないんですよ。また、県はどうかというと、県には県民がいるんだけ れども、県に県民のことが分かっているかというと、残念ながら、あんまり分かっていない。市は市民のことをかなりわかっている。ほとんどの市役所の職員は 市民だから、二重の顔をもって、地方自治体をやっている。だから、県は非常に難しい立ち位置ですよ。私は県のレゾンデートル(存在意義)がだんだん下がっ ていくのは、仕方がないと思っています。そこらへん、神田さんはどう考えられますか?

<神田>
 僕らは住んでいるところが町ですから。市ではないので、行政力という点でいうと、すごく低いところにいます。職員の数は限られているし・・

<蒲>
 でも、垂井町は、議員さんが喫茶店をしてたりしますよね。そういうところはいいなと思います

<神田>

 (笑)そういう小さい町で暮らしていると、町で対処できないことを、県のほうに依存せざるを得ないというところも結構あると思います。まさに補完性の原理ですけれども。特に垂井町のように、外国人居住比率の高い町で、町の方でとても出来ないことなんかは、(NPOが先に手がけたというのもありますけれども、)県と一緒になってやっていくというスタイルをとらざるをえない。

 僕は京都出身で、京都とか大阪というところは人権教育や国際理解教育が非常にさかんなところなのですが、岐阜はそういうものがほとんどない社会ですから、そういうところはNPOでやらざるを得ないわけですが、もう少し平準化していくためには、県がそういった役割を担うのがとても大事だとは思っています。

 だから、県の役割は限定的ではあるけれども、大事な役割は残っていると思ってい ます。新しいインフラをつくるなんてことは、まずやるべきではない。ひとつは、補修に専念するということと、小さな自治体で対処できないことなんかについ て、国ではちょっと遠いから、そのあいだのことをやる。国でいうと内閣府でやっているようなことを県にもってくる。「新しい公共」も、そのひとつなんだろうなという風に思っています。

 もうひとつ、私たちが県に何かをお願いする立場ではないですよね。近い将来、こういった場で相談していくべきだなと思っているのが、県と定期的に協議する場をつくったほうがいいと思っています。

DSC_0447.jpg

 僕自身は外務省や財務省とNGOとの定期協議を形 づくっていく中に参画していって、3年から5年くらい、そういうところの座長を務めてきました。「公開と参加」ということを原則とした場をつくるというこ と。決して閉じた空間でやっちゃだめ。そういう場をつくることが、駒宮さんの前段の問題提起ですよね。エリートの失墜というとおかしいですけれども、その 資質が十分じゃないというような部分に刺激を与えて、私たち自身もそこで、ともに学んでいく場をつくっていくことが、ものすごく手間暇かかりますが、大事 であろうと思っています。

 今現在、私はODAのところからは離れていますけれども、新たに「通商政策」に関して、こうした場をつくろうと試みていて、「TTP」をテーマに、各地で市民と政府との意見交換会をやりながら、包括的な通商政策に関する協議の場をつくるということを内閣府と協議している最中に政権交代がおこったということがありました。ただし、外務省、財務省とNGOとの定期協議が始 まったときは、自民党政権でした。そのときにつくっていったということがあるので、あながち「自民党だから出来ない、民主党だから出来た」という話でもな い。県で、誰が知事であろうと、できる選択肢がいっぱいあると思うし、そういった場をつくっていくという発想が大事。

 間接民主主義っていうね、ひとつの選挙でモノゴトが決まることって、そうそう多くあるわけじゃない。むしろ、「ベースの部分のことを、直接民主主義の手法でどうやって積み上げていくのか」っていうようなことを、そろそろ岐阜県でもNPOで動きましょうよ。ということを、私自身は思っています。そういう場が必要だと思っています。

<駒宮>
  今の議論で、私がぴんと来るのは、国が弱体化しているのは非常に問題なのだけれども、間接民主主義自体が、老朽化してあまり機能していない。欧米は特にそ れに対していろんな策を練ってやっているんだけれども、日本だけはずっと、このままで来ちゃっている。首長は首長で、直接選挙で選ばれて、かなりの権限を もつのは、それはそれで結構なことだと思うのですが、議会がほとんど機能していないんじゃないかという風に思っているんですが、そこらへんどうですか?蒲 さんどう思いますか?

<蒲>
 思います。思うだけです。
  思うだけで、議会を変えて、地域が変わる感じはしなくて・・。でも、コミュニティの支援をしていて、「現実的に、地域に新しい公共を育てていけるポジショ ンって、実は行政職員じゃないか」と思うことがあります。行政職員の人って半分住民だから、良いポジションにいるなとおもっていて。

  ドイツの事例を聞いて、ドイツは議会もあるけど、自治会に結構予算が渡されていて、自分たちでまちづくり協議会のような場でコミュニティとかコープレベル の予算執行をしたりしているんですけれども、その会議の場にファシリテーターあるいはコーディネーターとして行政職員がいると。そういう中間領域に行政の 中で施策決定とかプロセスとか、税金をどう使っていくかというプロセスに関わっている人たちが入っていくのは、すごくいいなと思って。

 地方の議員って、かつて、陳情をうけての公共事業誘致とか、もっとおおざっぱなコーディネーター的な役割をもっていたのかも しれないですけど、いまはそれでさえもできるような社会状況ではない、そんな中での議会や議員の存在意義にはかなり疑問を感じています。そういう意味で、 当事者意識をもった自立したコミュニティを育てていくという命題に対しては、議員でも、行政職員でも、既存の権力構造とは異なる原理で地域に関わってくれ る人が大事だと思うし、議会や行政と住民の距離が近い小さい自治体の方が可能性を持っていると思います。

<駒宮>
  今日、突如お越しになった、和田さんの共著『途上国の人々との話し方』という本を読んでいると、明確に出ていると思うんですけれども、予算をきちんと立て て執行するということがどれくらいの大きさの地域で出来るだろうかというのが最終的にすごく大きな問題で。それが上から下りてくるお金じゃなくて、自分た ちで集めたお金であると、なおさらなんですね。

 私自身は、それを少しずつやっていかないとまずいなと思ってまして、恵那市でも、これは賛否両論なんですが、固定価格買い取り制度(FIT)という変な制度 が出来て、太陽光に関しては、大分条件が良いんですけれども、公共施設と市の遊休地をとことん使って、お金を集めて、それをどういう風につかうかというガ バナンスをしっかりつくってみようかなと思っています。とりあえず、今一番世の中で困っている人たちは、たぶんお年寄りではなく若者ですから、若者の雇用 に結びつけるような施策が出来ないかなとはじめたんですけど、そこらへんは、私は政権が誰になろうと、やるべきだと思います。

<蒲>
  問題は、「新しい公共」という言葉を、ほとんど誰も理解せずにやっているんじゃないかと思うんです。政治家も行政政府も、補完性の原則に則り、地域コミュ ニティレベルで、当事者意識を持ち、自分たちの地域を担っていく人たちを育てるという立場で予算が使われていない感じがすごくあります。

<駒宮>
 大変忸怩たる思いをしていて、我々もたくさんの新しい公共の仕事をしておりますが、ちょっとずれているところもありますよね。

<駒宮>
 基本的に今日集まって頂いたことは、なかなか答えが出ないんですよね。地域で事例をつくるというのは、大分前からこれしかないなと思ってやっているんだけれども。

toyomori.jpg

  トヨタ自動車にお金をもらってやっている「豊森なりわい塾」(http://www.toyomori.org/) というのがあるんですが、そこにひっかけて、去年の秋に元栄村村長の高橋さんという方を呼んだんですね。高橋さんは、自治の神様みたいな人なんです。自治 の神様みたいな人なんだけど、あの人が20年くらい村長をやってきて「いや、駒宮さんね、あんな小さな村でも、どんどんグローバル化の波が押し寄せてき ちゃって、なんともならないんだよ」とおっしゃって、そのことが頭にこびりついていて。なんとかそれを少しでも分離するような体制を整えないと、どうもな んともならないんじゃないかという気がしています。

 若い人たちにどんどん活躍してもらって、どんなに小さくても、良い事例を、どん どんとつくってくれると、それがスタートラインとなって、上手くいくんじゃないかなと思います。知事選とはちょっと違いますが、そういうことがどんどん可 能になるような政策をこちらで何かつくっていくと。そういうことをやっていかないとだめじゃないかなと思います。

 こんな会になるとは全然思わずにやってしまいましたけれども、2回目、3回目も、発展させてやっていけるといいなと思っています。今日はありがとうございました。


======================================
新春若手NPO対談 2013年1月8日 於:じゅうろくプラザ
主催:特定非営利活動法人 ぎふNPOセンター

「新春若手NPO対談第1部」
http://gifu-npocenter.org/2013/02/1.html

「新春若手NPO対談第2部(2−1)」
http://gifu-npocenter.org/2013/02/post-30.html

「新春若手NPO対談第2部(2−2)」
http://gifu-npocenter.org/2013/02/2.html




Home > 新春若手NPO対談 第2部(2−2)

Tag Cloud

Return to page top